blog あざみの詩

令和二年二月から

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三月に入り、あっという間に失業状態となりました。
一気に家の大掃除に取り掛かり三日で終了。

さあ、有り余る時間をどうしましょう。

そうだ、大好きな巨木に会いに行こう、森を訪ねよう、

不要不急ですみません、お弁当持参で極力人に会わないようにしますからお許しをと、少々気がとがめながら、まずは敬意を表して念願の薄墨桜にご挨拶を。
さすが千五百年の貫禄でした。


※写真はイメージです

それからは県を超えないように「愛知の巨木」の本を手に、街から里へ、山から谷へ。なんと広く山深い県なのでしょう。

驚きでした。
故郷の飛騨もかないません。

道すがらのこんもりした緑の中には必ず古のお寺、神社が、苔むした森に守られて静かに佇んでおられます。

幼き頃にタイムステップしたかのように、遊び場であったお寺の庭、氏神様の境内そのままの空間なのです。
清めの水のそばに鎮座する龍との出会いも、紫色のお洒落さんだったり、お手をするワンちゃんの様であったり、個性豊かで楽しいものです。

四月、状況が厳しくなった頃、日本の里山を愛し、森の保護に尽力されたCWニコル氏の逝去が報じられました。

今、私達はその尊い志を引きついでいるといえるでしょうか。
自国の緑に愛情を注いでいるでしょうか。
異国の土となられた氏に感謝をこめて心よりご冥福をお祈りいたします。

そして緊急事態宣言も出て行き場を失ってしまいましたが、ふと気が付いたのです。マンションから見下ろしたあそこに、百歳を超えた楠がそびえているじゃないですか。

大木のもと、草取り、落ち葉掃除、そして、六体のお地蔵さんや、村の旅籠で亡くなったという無名のお侍さんのお墓にも手を合わせる日々が続いております。


※写真はイメージです

でもやはり人恋しい。

長い間お会いしてしない生徒さんたちに絵葉書を出しました。
メールやお手紙でお返事をいただき、より深く心かつながった様で、なにより嬉しいことでした。また必ずお会いしましょうね。楽しみにしております。

新緑が見事なグラデーションを演出する五月も後半、宣言は徐々に解除されております。
木々たちは立ち続けた何万日分のたったこの百日ほど、右往左往する私達をどんなふうに見つめていたのでしょうか。

そして人々が距離を置き、機器を介して接するという社会の新生活が掲示されている今、心身共に、触れ合うことを仕事にしている私達は、これからどのようにすすめばよいのでしようか。

今日も雄々しい技葉の向こうに広がる変わらぬ青空を仰ぎみて切なくなるのです。

もう六月です。

おとなしく自粛していなかった不届き者ですが、日頃、人としての豊かな生活を応援していると自負しているフリーランスの切実な声です。

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